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ヨウスコウワニのオスが見当たらなくなっていますの写真

更新日:2016.01.09ヨウスコウワニのオスが見当たらなくなっています

更新日:2016.01.09

ヨウスコウワニのオスが見当たらなくなっています

明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。さて、我々飼育係には盆暮れ正月あまり関係ありません。私はヘサキリクガメの卵の中で、子ガメが順調に育っているのを検卵してニヤニヤしている今日この頃でございます。皆さまいかがお過ごしでしょうか。

現在、ヨウスコウワニも繁殖に向けて刺激を与えているところです。



ヨウスコウワニは本来、野生下では冬眠をする種です。温帯に生息する爬虫類は、冬眠による体内の状態の変化が繁殖のスイッチになります。冬眠をさせないとスイッチが入らなかったり、狂ったりするので常に高温に保っている爬虫類館のような施設ではなかなか繁殖できません。小さなヘビやカメなら寒いところに持っていくという手もあるのですが、ワニではそうはいきません。今まで日本の動物園水族館で繁殖に成功しているのは札幌市円山動物園だけです。そこで行っている飼育の工夫を参考に、冬眠に似た刺激を与えてみようと、ワニたちを飢餓状態にしています。写真は11月初めのヨウスコウワニのメスです。秋までに量・質とも高い餌を与え、かなり肥満状態にしてあります。



そしてこちらが12月のメス。11月から週に1回、ザリガニ1匹しか餌を与えていないのでスリムになっています。オスはメスよりも肉付きが悪かったので、11月いっぱい高栄養の餌を多く与え、12月から週に1回ザリガニ1匹にし始めたのですが・・・。



オスは12月の半ば頃から産卵場として整備してある所の板の下に隠れるようになってしまいました。ほとんど出てきません。当然餌も食べません。天窓が大きいので感じられる日照時間も短くなってきているし、餌も少ないしで、もしかしたら冬眠モードに入ったのかもしれません。それはそれで良しとしています。後は昨年同様、2月頃日照時間が長くなってきてからのメスに対するアプローチが強くなりすぎて怪我をさせないように注意をしなければと思っています。



そして今までオスが占拠していた展示場のプールには、メスがのびのびと入っています。現在は水深も浅くして、プール底の床暖房も切ってあるので水温は低めですが、これも2月か3月頃から水深を深くして水温も上げていこうと思っています。さて、うまくいくでしょうか。