更新日:2015.06.06ツキノワグマの同居
更新日:2015.06.06
ツキノワグマの同居
先日、ツキノワグマの繁殖期のようすをご紹介いたしましたが、今回は実際に同居した際のようすをご紹介します。
写真では仲がよさそうに見えるサンペイ(オス)とコマチ(メス)・・・
常に隣同士の小間で飼育しているので互いの匂いや姿は確認できていますが、実際に同居させると・・・
サンペイは猛烈ないきおいでコマチに迫ります。
お互いのことをよく知るために力比べをします。力比べがエスカレートするとそのまま大きな闘争になってしまうので、様子をみながら同居の継続を判断しました。
関係が良好なら、この後メスがオスを受け入れるのですが、この時はまだコマチ側の受けいれが整っていないようで、何度も何度も力比べをしていました。力比べ自体は圧倒的にサンペイが有利ですが、無理強いするとコマチから手痛い仕返しがくるのでサンペイもコマチの反応を見ながら力比べをしている様子です。
コマチが受け入れてくれないのでサンペイは幾つかの作戦を実施しました。
作戦1 コマチの部屋に匂い付け
コマチの部屋にある、ありとあらゆるものに匂い付けを行い自分の存在をアピールします。
作戦2 通り道に匂い付け
一見神輿を担いでいるようにも見えますが、サンペイの部屋とコマチの部屋を繋ぐ通り道に匂い付けをしています。
作戦3 尻から近づいてみる
頭から近づくとパンチされるので尻から近づいてみるようです(この後コマチにパンチされていました・・・)
作戦4 目の前でアピール
わざとコマチから見えるところで匂い付けをして自分をアピールしています。
コマチもなんとなく見ているようです。
作戦5 関心のないふりをして近づく
一枚目の写真のものです。
ズカズカ距離を詰めるとコマチに過度に警戒されるため、関心が無いように装いゆっくり近づきます。
コマチは警戒していますが、ゆっくり近づくぶんにはある程度は許容しているようです。
サンペイの努力の甲斐もあってか、少しの間接触する分には許容してくれるようになりました。
同居二日目には微妙な距離感、緊張感はありますが、ある程度近づいても落ち着いていてくれるようになりました。
これからも動物の体調をみながら同居をおこない、繁殖期の間は同居展示できればいいなと思います。
飼育展示係
大滝