更新日:2015.01.25ツキノワグマにも大腿骨をあげてみたところ
更新日:2015.01.25
ツキノワグマにも大腿骨をあげてみたところ
ツキノワグマは本来、植物食中心の雑食獣で一日の採食量のうちおよそ九割以上は植物質を食べていると言われています。しかし昆虫や死肉などは食べますので、大腿骨をあげてみたらなにか良い刺激になりエンリッチメントになるかと思い与えてみました。といってもライオン、トラがもうかじらなくなった大腿骨を与えたので、食べるところはほぼ残っていないかと思いますが・・・
まずは、コマチ(メス)から・・・
完全に腰がひけています。他の餌に紛れるように置いたのですが、全然紛れていません。一生懸命体を伸ばし匂いを嗅ぎ、
逃げます。しかし大腿骨の周りに通常の餌を置いているので、それだけは恐る恐る食べにきます。コマチは失敗に終わりましたが、きっと次のサンペイ(オス)なら・・・
コマチ同様腰が引けています。写真ではわかりませんが運動場に出した瞬間、大腿骨を二度見していました。
はじめて知りました。クマも変なものを見ると二度見することを・・・コマチほどではありませんでしたが、あらかさまに警戒しながら大腿骨の周囲の餌を食べ進めています。その後、夕方まで触れた形跡は無く今回の大腿骨は完全に失敗に終わってしまいました。
ところが、翌日・・・
写真の個体はコマチですが、朝の見回りの際、昨日のことなどなにごともなかったかのようにかじっています。
それもかなり執着した様子です。普段、挨拶するとこちらに駆け寄ってきますが大腿骨に夢中でこちらを見向きもしません。
サンペイはというと、かじっているところを見ることはできませんでしたが、ハンモックの上に大腿骨が移動され傷もたくさんついていたので、夜中にかじっていた様子が伺えます。
二頭とも初見の反応は悪かったですが、一晩考えた結果食べ物と判断したようです。
こちらも不定期ですが、大腿骨を与えていこうかと思いますので偶然見かけた際はぜひともご覧になっていってください。
飼育展示係 大滝