更新日:2021.03.11続 ラージャー13歳になりました
続 ラージャー13歳になりました
前回(こちら)の続きです。
興味ある方はもう少しお付き合いください。
ヒト用保育器からペット用フェンス、
人工哺育室の収容小間へと住む場所を替え
順調に成長するインドライオンのちび助。
この頃正式に「ラージャー」という名前に決まり
その名の通り"王様"ぶりを発揮します。
時間があれば、人工哺育室から連れ出し
事務所の中を散策します。
職員に愛嬌を振りまきつつも
気に入らない"奴"には牙をむき
骨などもしゃぶり暮らしていました。
哺乳瓶から飲んでいたミルクも
食器から飲むようになり
徐々にミンチ肉の量も増えていきます。
やがてミルクは卒業し、ミンチから固形の肉のみとなり
生後4か月で離乳となりました。
そして生後6か月が過ぎた8月、
両親たちが暮らすインドライオン舎に引っ越しました。
そして広い展示場での練習が始まったのです。
始めは担当者と一緒に練習していたのですが...
もう大丈夫、とラージャーだけで展示場にだしたところ
1回目の水モート落下と相成りまして
泥だらけの体を洗う羽目になりました。
モート前に電気柵を設置したりして
また一からやり直しです。
そうこうしているうちに
どんどん大きくなるラージャー。
人懐っこいのは良いのですが
この後も2回、電気柵も乗り越えモートに落下。
1歳を過ぎたラージャーは体重60㎏を超え
人力で引き上げるのも容易ではなくなってきました。
その後、担当替えとなりラージャーの担当ではなくなってしまったので
詳細は知らないのですが、
モートと展示場はフェンスで仕切られ
落下する心配はなくなったようですが
ラージャーは展示場へ出ることを拒み、
その後来園者に姿を見せることはなかったようです。
一時期今のアムールヒョウ舎にいたこともあるとか・・・
月日は流れ6歳となったラージャー。
タテガミも生えそろい立派なオスライオンへと成長しました。
ちょうどそのころ、
ズーラシアではアフリカサバンナエリアの整備が始まり
アフリカライオンを飼育展示することになりました。
そこで、野毛山動物園で飼育されていたアフリカライオンのフクと
ラージャーの交換トレードが決まったようです。
2014年6月16日。
大好きな大きな骨と共に運ばれるラージャー。
こうしてモートのない、もう落ちる心配のない
野毛山動物園の一員となったのです。
その後のラージャーについては皆様ご存じの通りです。
2017年4月、野毛山動物園に異動となり
8年ぶりに再びラージャーの担当となりました。
13歳となったラージャー。
まだまだ元気で、その咆哮を野毛山中に轟かせて欲しいと願っています。
(あの日に帰りたい 田島)