更新日:2020.06.05ブログ DE 動物病院ガイドツアー vol.5
ブログ DE 動物病院ガイドツアー vol.5
早速ですが、前回の続きです。
ラージャーを、というかライオンのような猛獣をどうやって眠らせたのでしょう?
当然モルモットのように直接マスクをつけて麻酔をかがせるわけにはいきませんよね。
何せライオンですから、そのまま触ることはできません。
ではどうするのか?
答えはコチラ。
吹き矢を使います!
吹き矢とは吹き矢用の注射器をこのようなパイプに入れ、口で吹いて飛ばすというなんとも原始的な道具です。
しかしこの吹き矢を使えば、離れたところからでも麻酔薬を注射することができるので、ライオンのような猛獣でも眠らせることができるのです。
今回はこの吹き矢のヒミツに迫ります!
わかりやすいように、普通の注射器と吹き矢用注射器を並べてみましょう。
ピンクの液体は薬に見立てた色水です。
さて、どうですか?
一目でわかるのが、吹き矢用についている、矢となる毛糸だと思いますが、実は吹き矢用注射器のヒミツは針に隠されているのです。
では針だけを見比べてみましょう。
う~ん、吹き矢用には何かついていますね。
これはゴムでできた栓です。
このゴム栓をずらしてみると・・・。
穴が開いているのが見えますか?
この小さな穴から薬が出てくるのです。先端はとがっているだけで、穴は開いていません。
もう一度普通の注射針と見比べてみましょう。
ね?違うでしょ?
このゴム栓でフタをしておくと、どこにも薬の出口がなくなります。これが重要なんです。
この密閉された状態で、あることをするのですが・・・。
それにはこれを使います。
ガスライターなどに使うガスです。
このガスを薬の後ろの部分に注入するのです。
もうわかりましたよね?
そう、ガスの圧力で、薬を押し出すのです。
吹き矢が飛んで、動物に刺さると、ゴムがずれて針が体に入っていきます。そうすると、針の穴から薬が噴き出し、注射される仕組みになっているのです。
(この様子は野毛山動物園公式YouTubeでご覧いただけます。)
どうです?単純だけどスゴイでしょ?
ということで、次回は吹き矢のお話第2弾。吹き方講座(?)です。
ではまた。
(動物病院 小野)