更新日:2021.03.25NOGEYAMA ZOO COLLECTION Vol.3
NOGEYAMA ZOO COLLECTION Vol.3
いつもと違う視点で動物たちを見つめてみる『NOGEYAMA ZOO COLLECTION』。
3回目となる今回は『インドクジャクの上尾筒が生え変わる変遷』です。
今年もインドクジャクの雄たちがあの羽を広げる季節が到来しました!
とは言っても「あの羽、ずっと広げるよね?」と思う方もいらっしゃると思いますので、あらためて説明しますと、あの羽を広げる時期はインドクジャクにとっての繁殖期にあたる3月~7月です。
(※広げる時期は、個体や気候などにより変動します)
インドクジャクとい言えばのあの羽は『上尾筒(じょうびとう)』という腰のあたりから生えている羽で、鳥類の尾羽とも違う羽です。
それがよく分かる写真がこれ。
繁殖期を終え、上尾筒が抜け落ちたあとの雄の腰付近の写真です。
ごっそり抜けて、尾羽の羽軸がむき出しになり、少し寂しい感じがします。
ちなみに尾羽だけでも広げますが、長い上尾筒は後ろから尾羽に支えられることにより安定します。
上尾筒の仕組みが分かったので、次は生え変わりの変遷です。
当たり前ですが、いきなりあの長さでボーンと生えてくるわけではありません。
春から夏の繁殖期が過ぎたあとの秋には、次の年に広げる上尾筒が生え始めます。
この時期見ごろを迎えた桜などの落葉樹と同様に、動物も見ごろが過ぎたあとにすぐ次の年の準備を始めています。
最初はこんな感じに腰のあたりに短い羽がモシャモシャっと生え始めます(9月)。
それが徐々に伸びて、ようやく上尾筒らしさが出てきます(10月)。
しかし、この時期はまだ尾羽の方が長いです。
だいぶ長くなってはいますが、これでも完成形の半分くらいの長さでしょうか(12月)。
本人(鳥)たち的には、このくらいの長さの方が動きやすそうです...。
まだ、繁殖期には入っていませんが、長さ的には準備万端になりました(1月)。
2月の暖かい日には、広げる練習も開始。
そして、今年もこの季節がやって来ました。
普段は静かなキジ舎も雄クジャクたちにより賑わっています。
※展示動物と適切な距離を保つため、獣舎のフェンスにカメラを近づけての撮影はお控えください。
ご協力をお願いいたします。
飼育展示係 大谷