更新日:2025.01.06カナの奇跡
カナの奇跡
師走のある日、おばあさんタヌキのカナが立ち上がることができなくなっていました。タヌキの寿命は、野生下では6~8年程度、飼育下でも10年程度と言われている中、超後期高齢者の15才です。正直、いつこの日が来てもおかしくはないと覚悟はしていました。起き上がれないので、自分で採食、飲水ができず、担当者が口元で支えて与えました。
この状態でも食欲旺盛で、ここまで長生きしたカナのフィジカルの強さを感じました。若い個体ならば回復も期待し積極的な治療を行いますが、老齢個体でこうなってしまうと、最期の時まで苦痛を少なくして幸福度をどう上げるか、というケアになってしまいます。ところが、立ち上がれなくなってから5日後、朝一番で様子を見に行くと、そこにはふらふらとではありますが立っているカナがいるではありませんか!
カナは外に出たそうに扉の方を向いてそわそわしています。心配ではありましたが扉を開けるとふらふらと外に出て、しばらくすると自分で帰ってくることもできました。
奇跡的な回復を遂げたカナですが、倒れる前に比べたらヨタヨタ具合は少し増しました。これまで2段ベッドの2階がお気に入りのポジションでしたが、落下すると危ないのでベッドの足を切り低床にし、階段になっていた部分はおが粉でスロープにしました。
(かつてのベッドです。赤枠部分によくいました。)
(赤矢印部分が階段でした。)
(今のベッドです。階段はなくなりました。)
扉の開閉のための溝も垂木で埋められるようにして、完全バリアフリー住宅となりました。
足腰は弱り、ヨタヨタ、ヨロヨロではありますが、朝夕2回のお食事の様子は皆様にご覧いただけています(天気や体調によってはご覧いただけません)。無事、新しい年を迎えることができた、奇跡のおばあさんタヌキ、カナのご報告でした。
(はんざわ)