更新日:2022.01.17ニューフェイス登場
ニューフェイス登場
近頃世間をざわつかせている
ホンドタヌキについてのお知らせです。
小獣舎に移動直後
初めての展示場
昨年の5月に横浜市内で保護されたオスの個体です。
まだ目も開いていない生後間もない状態で動物園に持ち込まれたそうです。
当然、この子も野生に返すべく慎重に人工哺育で育てたのですが
残念ながら人を恐れることがなく、このまま野に返せば事故に遭う、
人の生活圏に出てきてトラブルに巻き込まれるなどの公算が大きく
野に返すにはハードルが高かったようです。
保護されたばかりの頃
昨年、飼育中のホンドタヌキは"カナ"だけになってしまった野毛山動物園。
カナは今年13歳になるおばあちゃんタヌキで、
滅多なことでは日中、展示場には出なくなってしまいました。
そこでこの若いタヌキに白羽の矢が立ったのです。
名前は、若く元気が良いことから
昨年の東京オリンピックで大活躍の柔道選手にあやかって
"ヒフミ"と名付けられました。
人懐っこいヒフミ。
これからは地味だった小獣舎を盛り上げてくれることと思います。
皆さんの前に出ることはないかもしれないカナ共々どうぞ御贔屓に願います。
少し新しい環境に慣れてきたヒフミ
※毎年多くのタヌキが保護されています。病気やケガの治療後にリハビリを行った後、あるいは十分に成長させてから野生に返しています。野生では親ダヌキに育てられた子タヌキは、母親から餌の取り方、見つけ方や他のタヌキや人・犬・猫を含む多くの生き物との接し方または危険なことの見分け方など生きていくうえで必要なことを学んで成長し成獣となります。傷病鳥獣の担当者は、母親代わりとなり、独り立ちして生きていくのに必要なことを教えてから野に帰します。しかし"人"にべったりでは困るので、その接し方には細心の注意を払い様々な工夫をしながら育てています。
今回の場合、段ボール箱に入れられた状態で発見され動物園に持ち込まれました。
つまり誰かがいったん保護した個体であったようです。そんなこともありこの個体の場合は自然に返すことが困難になってしまったようです。このような状況であったことをご理解いただけると幸いです。これからも傷病鳥獣保護(詳しくはこちらをクリック)の取り組みにご理解、ご協力よろしくお願いします。
(飼育展示係 田島)