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カメの甲羅の写真

更新日:2019.05.16カメの甲羅

更新日:2019.05.16

カメの甲羅

カメに甲羅があることは皆さまご存じだと思います。

そんなカメのお腹ってどうなってるか皆さん知ってますか??

① お腹側は哺乳類の皮膚のように柔らかい

② お腹側にも甲羅がある

どちらだと思いますか?

お客さんに聞いてみると回答が半々になることが多く、知らない方も結構多い!ということに最近気づきました。

答えは...

『お腹側にも甲羅がある』

です!

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背中側の甲羅とお腹側の甲羅は手の付け根から足の付け根までつながっていて、手足などの皮膚と甲羅もつながっています。

カメの甲羅は骨兼皮膚のようなもの。

なので、ヤドカリのように体とは別で体の上に被さっているだけ、アニメとかで見るように甲羅を脱いで交換!なんてことは実際にはできないのです。

この甲羅。外敵から自身を守るためにカメにとってはとても大事なものですが、獣医にとっては結構厄介なものだったりします。

治療時に採血や注射がしたくても甲羅は硬くて注射できません。

手足の皮膚に注射したいのですが、危険を察知するとカメは手足を甲羅の中に引っ込めてしまいます。

なので、油断して甲羅から手足が出た時にさっと手足を持って注射や採血をします。

RIMG2640.jpg

頑固なカメだと手足を出だすまで辛抱強く待っていなきゃな時も。。。

そして何より大変なのはお腹を開ける手術をするとき。

甲羅があるから手術できないね、というわけにはいかないので、もちろんカメだって開腹手術をすることがあります。

でもお腹を開けるには甲羅を開けなければなりません。

甲羅を切るときには電動ノコギリのようなものを使ったり、甲羅を閉じるときには補修材を使ったりと甲羅の部分だけ見るとまるでDIY。ちょっと特殊な手術になります。

カメの手術について興味ある方は前にブログで紹介していますので、そちらをご覧ください。

http://www.hama-midorinokyokai.or.jp/zoo/nogeyama/details/post-46.php

そんな獣医的にやっかい!と思ってしまいがちな甲羅もたまにはいいなって思うことがあります。それはレントゲン撮影の時。

暴れる動物だと押さえなきゃいけなかったり、場合によっては麻酔をかけたりしなきゃですが、甲羅に引きこもっているカメのレントゲンは抑える必要がありません。

とってもありがたいです♪

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ちなみに野毛山動物園で一番レントゲンのお世話になっているのはカメだったりします。

甲羅があるので、カメは見た目でお腹に卵があるか全くわかりません。

なのでレントゲンでお腹に卵があるか確認しているんです。

甲羅一つとっても色々話題の尽きないカメ。

今度カメを見に来るときにはぜひ甲羅にも注目してみてください♪

(飼育展示係 百武)