更新日:2020.04.26みんなに支えてもらって
みんなに支えてもらって
この写真は昨年の『ナイト野毛山』で撮影した1枚。
ミナミコアリクイのアサヒが何かに勤しんでいる写真です。
何が気になっているのか?というと、
老朽化が著しいミナミコアリクイの屋外展示場の止まり木を一生懸命ホジホジしているところでした。
飼育担当者としては、「止まり木が崩れちゃうから、やめて!!」と心の中で叫んでいましたが、実はこれもコアリクイの習性なので、仕方がないのです。
元々、コアリクイは樹上性(木の上で生活する)の動物なので、基本的には餌も木の上で探します。
主食となるシロアリは朽ちた木の中にいることが多いので、止まり木の朽ちた箇所を見つけると、習性で思わずホジホジしてしまうのです。
その証拠に園内に転がっていた朽ち木をあげてみると、
みるみるうちにボロボロに・・・。
もし本当に止まり木をこんな風にされたら、組み木が崩れてしまい、晴れた日に外での日光浴もできなくなってしまいます。
そこで、今回の臨時休園を利用し、止まり木の改修を行うことにしました。
しかし、この手の作業が苦手で、重い腰を上げずにいたコアリクイ担当者を、頼れる先輩方や安定感のある後輩が、自分たちの時間を割いて、快くサポートしてくれました。
小さな動物園ではありますが、この一致団結が野毛山動物園の良いところなんです!
そして、土台となる組み木が完成。
アサヒ、気に入ってくれたようです。
あとは、少しずつになるとは思いますが、アサヒが休息する場所や餌台などを増築していく予定です。
今回は、園内で出た伐採木を再利用して改修することになり、その重たい木を運搬したり、長さに合わせて切ったり、組み合わせたりと、なかなかハードな作業でしたが、『与えられたもので、今できる最良のことを』という大切な気付きもありました。
あらためて、サポートしてくれた飼育職員に感謝感謝です。
いつもありがとうございます!!
みんなに支えてもらって、今年の5月1日にアサヒは6歳になりました。
今年は臨時休園中の誕生日で、来園者のみなさまと一緒にお祝いしていただく機会を設けられず残念でしたが、開園したら、また、相変わらずマイペースなアサヒに会いに来てくださいね。
飼育展示係 大谷