更新日:2015.06.26二枚貝の餌を工夫しています
更新日:2015.06.26
二枚貝の餌を工夫しています
今回はタナゴ舎のお話です。
タナゴ舎のミヤコタナゴは二枚貝に卵を産みます。本来ですとマツカサガイなどに産むのですが、野毛山動物園では大学の先生にカワシンジュガイを頂いて産卵 させています。ですがこの貝、長生きをさせるのが難しいんですね。問題は餌なんです。植物プランクトンなどを食べているらしいので、外に水槽を置いておく と、いくらかプランクトンが増えるらしく、冬を越したりもするのですが室内では長生きしません。そしてタナゴの水槽が置いてあるのは室内なんですよ。
そこで少し工夫をしてみました。園芸用の荒木田土(スイレンなどを植えるのに使います)をバケツに投入し、水を入れてかき混ぜます。次の日にその上澄み液を別のバケツに静かに移し、また1日置いたらその上澄み液を別のバケツに移します。
その水を日向に置いておくとあっという間に植物プランクトンが増え、緑色のグリーンウォーターになります。こうなったらあとは1か月に1回くらい、化学肥料の粒を数粒入れるだけでOKです。
これをボトルに入れ、カワシンジュガイの入った水槽に入れてやると・・・。
数日後、貝から緑色のものが出ていました。今まで見たことが無かったし、文献で二枚貝が糞を出すといわれている場所あたりから出ていたので、おそらく糞でしょう。ちなみにグリーンウォーター を入れて濁った水は、半日で透明に戻ります。
そして元気になったカワシンジュガイから、ミヤコタナゴの稚魚がどんどん出てきております。既に300匹以上が浮上しております。もう少し大きくなったら展示を開始しますね。