獣医さんと一緒にトレーニング！

新年度が始まり間もなく3ヶ月が経過します。

実は今年度から、チンパンジーたちのトレーニングにちょっとした変化がありました。

上の写真は毎朝行っている、チンパンジーのトレーニング風景です。

おや、トレーニングを行っている飼育担当者の他に、もう一人職員がいますね？

実はこの職員、野毛山動物園の「獣医」です。

動物園で暮らすチンパンジーの健康管理は、飼育担当者が一人で行えるものでは決してありません。

なぜなら、万一チンパンジーが大怪我や病気をした時は獣医による治療が必要となり、

また今後採血や注射等のトレーニングを進めていく上でも、獣医の存在が必要不可欠だからです。

しかし当園のαオス・コブヘイは、飼育員が親代わりとなる人工哺育で育ったため、

良くも悪くもヒトへの関心が非常に強く、また普段と異なる状況を大の苦手としているため、

見知らぬ人が来ると延々とディスプレイをして興奮状態に陥ってしまいます。

これでは獣医による治療やトレーニングはままなりません。

（上の写真はディスプレイ中のコブヘイ）

そこでコブヘイや、もちろん他のチンパンジーにも、獣医一人一人に慣れてもらうため、

そして「獣医のいる状況」が当たり前の事と認識してもらうため、

今年度よりチンパンジーのトレーニングには、4名いる獣医のうち必ず1名に立ち合ってもらうことにしました。

獣医と一緒のトレーニングを始めてから約3ヶ月、お陰様でコブヘイはこの状況にだいぶ慣れてきたようで、

ディスプレイを一切行わずに落ち着いてトレーニングを行ったり、

時には獣医を遊びに誘うといった光景も見られるようになってきました。

当園のチンパンジー達の健康管理を確実に行っていくため、

今後も獣医と協力しながら取り組んでいきたいと考えています。

（チンパンジー係5年生　伊原）

• この記事をシェアする
• Facebook
• Twitter
• LINEで送る